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笹幸恵
2023.6.9 01:27皇統問題

有本香、もはやつけるクスリなし。。。

もはやつけるクスリがない、とはこのことだ。
有本香の記事がヤフーで掲載されている。

LGBT法案成立は日本史上「最大級の暴挙」 岸田首相は安倍元首相の「憂慮」を理解しているのか 「朝敵」の運命いかなるものだったか

LGBT法案を強引に押し通そうとしている岸田政権を
有本は日本史上「最大級の暴挙」と批判。
どのへんが最大級の暴挙なのだろうと
読み進めてみたら、
何のことはない、安倍元首相を持ち上げ、
八木秀次を持ち上げ、百田尚樹を持ち上げ、
彼らをネトウヨだというのか、
保守への愚弄ではないのか、
と、ワケの分からん方向に話が進んでいる。

ちょっと丁寧に見ていこう。
LGBT法案は9日に審議入り、採決が行われる見通しだ。
審議時間が少ないという批判ならまだわかる。
もちろん何でもかんでも時間をかければいいわけではないけど。
しかし、これを強引に通そうということが「最大級の暴挙」なら、
LGBT法案はどんだけ悪法なんだ?と思う。
ところが有本は何一つ、自身の見解を示していない。
あるのは、安倍氏が示した懸念。

教育現場に過激な「性」教育が持ち込まれ、
子どもたちのアイデンティティーに混乱が生じる
恐れがあること。さらに、性自認を偽称する者による
犯罪が誘発される危険性。例えば、「心は女」だと
主張する男性が女性の浴場やトイレに入って事件となるが、
「差別」を盾に免罪されかねないことなど、
安倍氏は2年前すでに、正しい問題指摘をしていた。

そりゃ、身体が男性の人が浴場や女子トイレに入ってきたら
女性は普通ビビる。私もそれはイヤだと思う。
だが、LGBT法案のどこをどう見ても、
そんな状態にあっても免罪とせよ、とは書かれていない。
そもそも「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進」なわけで、
それに寄与するように努めよう、という主旨だ。
これによってLGBTの人たちの生きづらさが少しでも
解消されるならいいのではないか?
性自認を偽称する者がきっと出てきて罪を犯す(かもしれない)
という理由で、差別を野放しにしておいていいはずもない。
極論のみ取り上げて騒ぐ様は、
安全保障環境ががらりと変わって防衛費増額、
それだけで「軍靴の足音が聞こえるぅぅ」と、
軍靴の足音も知らない戦後生まれが
ヒステリックに叫ぶのと似ている。

有本は、次いで八木秀次の自慢話を紹介。

「安倍氏は、肉体は女性だが、性自認が男性の『トランス男性』を
男性と扱うことになれば、皇位継承者を『皇統に属する男系男子』とする
皇位継承の原理が崩れることまで憂慮した」

これも極論中の極論だ。
それに男系男子が皇位継承の原理ではない。

ところが有本はこんな八木の自慢を真に受けて、
こう書いているのだ。

神武天皇以来、万世一系で約2000年続く、日本の皇統。
これを崩壊させんとする者は「朝敵」である。

皇統が崩壊すれば、日本が終わると言って過言でない。

酔ってる。
完全に自分に酔ってる。
日本が終わる、の意味がわからん。

で、トランス男性が皇位継承するかもしれないから、
岸田政権は「最大級の暴挙」なんだって。
しかもここからまた迷走。

2年前と同様に今回も、同法案推進に努めた古屋圭司氏(元国家公安委員長)、
稲田朋美氏(元防衛相)、新藤義孝氏(元総務相)ら、
〝安倍恩顧〟であるはずの面々は、安倍氏の懸念を何一つ解消させないまま、
進んで「朝敵」となる覚悟をしているのだろうか。

安倍恩顧、関係なくないですか?
恩を受けたら、ずっとその人の言うがままになれと?
政治は本来、政策の是々非々だろうに。

これ一読したとき、もはや安倍氏に刃向かう人間を「朝敵」と
見なしているようにしか読み取れなかった。
有本の脳内には、安倍朝廷が厳然と存在しているのだろうな。
やれやれ。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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